トロサ・ハント症候群

トロサハント症候群

トロサハント症候群とは?

複視(物が2重に見える)、片側の眼瞼下垂(瞼が垂れ下がる状態)を伴い
片側の眼痛が生じる病気で
眼痛眼瞼下垂は同じ側に生じます。

片目が激しく痛み、瞼が垂れ、物が二重に見えるようになったら
早めに病院で診断を仰いだ方がいですね。

この、トロサハント症候群とは
トロサ氏とハント氏が報告したため トロサハント症候群という
病名が付いたそうです。

この病気は
眼の奥にある海綿静脈洞という場所に炎症が生じ肉芽腫と呼ばれる コブ が出来るために
発症します。

海綿静脈洞には、眼やまぶたを動かす神経
(動眼神経、外転神経、滑車神経)、顔面の感覚神経(三叉神経)が通ります。

肉芽腫が出来ると、これらの神経が障害され、眼痛、複視、眼瞼下垂があらわれます

20歳から50歳代に発症することが多く、性別差はありません。

まれに、
眼痛、複視、眼瞼下垂が同時に現れることもありますが
殆どは、まず、眼痛の症状で
数日後に複視、眼瞼下垂が出現します。

トロサハント症候群はMRI検査で海綿静脈洞に肉芽腫が発見できれば、診断が出来ます。

なぜ、このような肉芽腫が海綿静脈洞に出来るのかは、はっきりわかっていません。

治療方法としては
出来るだけ早く副腎皮質ホルモン(ステロイド)を内服することです。

ステロイドを内服すると24~72時間で症状が改善してきます

ただし、これも個人差があり
症状が残ったり数ヶ月から数年を経た後にふたたび再発することも

気をつけなければならないのは
眼痛、複視、眼瞼下垂を生じる病気は少なくないので
トロサハント症候群と決め付けるのはよくないですね。

トロサハント症候群以外の代表的な疾患は
動脈瘤や硬脈動静脈瘻、脳腫瘍、眼筋麻痺性片頭痛などです。

そのため、先ほども書きましたが
症状のみで判断することは危険です。

MRI検査をすることをお勧めします。